PALMiCE3 SH7055は、ルネサス エレクトロニクス製のSH7050シリーズに対応したJTAGエミュレータです。
他のSuperHファミリのCPUとは異なり、ユーザのメモリ空間にデバッグ・モニタを常駐させます。
より良いデバッグ機能の実現とトレースメモリの増大を考慮して、ホスト間通信の高速化を実現しました。 このことにより、トレースデータなどの内部資源の転送が高速化し、より快適なデバッグが可能となりました。
PALMiCEシリーズのVbus対応電源レスのコンセプトを継承して、トレースメモリを大容量化したAUDモデルでもVbus対応の電源レスを実現しました。
パフォーマンスの向上やマルチコア対応、トレースメモリの増量などの性能アップを行っても従来機種よりさらなる小型・軽量化を実現しました。
標準セットのデバッガソフト「CSIDE」とは別に同本体で使用可能なCSIDEを追加購入することで、新たなCPUのデバッグ環境が低コストで導入できます。
AUDトレースにトリガを用意してトリガの前後やトリガ間のトレースを行うトレースモードを追加したことで、問題の場所を的確にトレースすることができるようになりました。 また、分岐アドレスのサンプリング表示やCPUクロックの表示、AUDトレースのフルブレーク機能も実現しました。
PALMiCE3の内部リソースをパワーアップして、より複雑なデバッグ制御を必要とするマルチコアのデバッグを可能としました。
トレース実行(シングルステップ実行)で行き過ぎてしまった場合に、変化したレジスタやメモリの値を擬似的に戻すことで実行結果を元に戻します。分岐前の状態確認や値を変更しての再実行など、ちょっとした再確認が簡単に行えます。
CPU内蔵のブレーク・ロジックにより、プログラムの実行前ブレークやデータをリード/ライトした時のアクセス・ブレークが可能です。
512Kサイクルのトレースができます。
ユーザ・プログラムの実行中にメモリやI/Oの参照/変更が可能な機能で、リアルタイム性を必要とするターゲットのデバッグに最適です。
オプションのRTOSデバッグ・ライブラリをデバッガソフトに追加することで、 リアルタイムOSのステータス表示機能やタスクトレース機能が追加されます。(リアルタイムOSによって仕様が異なります。)
SH7055F, SH7055SF, SH7058F, SH7058SF, SH7059F
CPU個別の対応については、「サポートCPU検索」より検索していただくか、当社営業までお問い合わせください。
対応ホスト | : 対応OSが動作するパソコン |
---|---|
ホストI/F | : USB 2.0 |
対応OS | : 日本語 Windows 10/8/7 (64bit /32bit) |
SH7055シリーズのPALMiCE3は通常のJTAGエミュレータとは異なり、ターゲット・システムと接続するだけでは起動することはできません。当社が提供するモニタ・プログラム*(デバッグ用の制御プログラム)を事前にユーザ・プログラム空間に書き込んでおく必要があります。
*モニタ・プログラムとは、ユーザの実機システムに組み込んで、ユーザ・プログラムのデバッグを行うためのプログラムです。実行制御や内蔵フラッシュメモリの書き換えなどの処理を行い、PALMiCE3は割り込みを利用してモニタ・プログラムの制御を行います。