当社はICEから始まりました。
ICEとは、“In Circuit Emulator”の略で、組み込み機器に使用されるCPUのデバッグのためのツールのことをいいます。時代とともにICEも変化し、CPUインサーキット方式からJTAG/SWDなどの新しいデバッグ方式が採用されるようになりました。
メモリもマスクROMやEPROM(強い紫外線光を照射すると消去できる)から、簡単に書き換えができるフラッシュメモリへ進化していきました。さらにMCU(Microcontroller Unit)のように、フラッシュメモリが一つのチップに内蔵されるデバイスも増えてきました。
同時にICEにもフラッシュメモリでのデバッグ機能が要求されるようになり、当社でもフラッシュメモリへの書き込み、およびデバッグ機能を必須機能として取り組んできました。
ICEのフラッシュメモリへの書き込みが標準化すると、今度は生産ツールとして、フラッシュメモリだけを書き込む機能のニーズが高まりました。そこで2009年、デバッガからフラッシュメモリの書き込み処理を分離したフラッシュプログラマ 「FP-10」をリリースすることとなりました。
FP-10は当初、Cortex-M内蔵フラッシュメモリ専用で、書き込み時間も数秒単位、設定も単純なものでした。しかし、デバイスの進化とともに書き込み方式も複雑化し、FP-10での対応工数も膨らんでいきました。さらにIoTデバイスなどのように、ネットワーク接続機器が増加する中で、フラッシュメモリにはセキュリティ強化の必要性が高まり、簡単に書き換えができない仕組みが導入されました。
このような背景を受け、FP-10にも進化が望まれました。しかし、10年を経過したハードウェアスペックには限界があり、新しいハードウェアを開発する必要性が高まってきました。そして、2023年7月、時代の要求に答えられるスペックを搭載した「FP-40」が誕生することとなりました。
FP-40は内蔵フラッシュメモリはもちろん、外部のSPIフラッシュメモリや、UART接続のデバイスにも対応可能です。また、セキュリティ機能を搭載したデバイスにも対応できる柔軟な構成となっています。
当社ではご要望に応じて、最適なフラッシュメモリの書き込みをご提案します。