SPIフラッシュなどの外部フラッシュに書き込むためには、CPU個別の設定が必要になります。このとき使用するのがUCM(ユーザカスタマイズモニタ)です。
通常、JTAG/SWDなどのデバッグインターフェイスで、フラッシュメモリに書き込むためには、以下の準備が必要です。
① CPUの初期化処理
② フラッシュメモリのアクセス用モニタプログラム
③ RAMを使用するためのCPUの設定
例えば、FP-40からフラッシュメモリへの書き込みを行った場合、まず、CPUの初期化を行い、次にRAMの設定を行います。そしてRAMへモニタプログラムをダウンロードします。
その後、FP-40は書き込みデータをRAMへ転送し、CPUがモニタプログラムを使ってフラッシュメモリへ書き込みます。
従来対応しているCortex-Mの内蔵フラッシュメモリでは、CPUが決まれば、初期化、モニタプログラム、RAMの設定は、ほぼ確定できるため当社で用意が可能でした。しかし、外部のSPIフラッシュメモリでは、お客様のターゲットに依存する部分が多いため、すべてに対応することは不可能です。
そのため、オープンな仕様でカスタム対応が容易な仕組みとしてUCMを用意しました。UCMは、お客様自身でも変更できるように、標準ボード用のソースプログラムを公開しており、例えば以下のボードのものを用意しています。
CPU名 | ボード名 |
i.MXRT1064 | MIMXRT1064-EVK |
RZ/A1H | CKB-RZA1H |
RZ/A1L | CKB-RZA1L |
RZ/A2M | RTK7921053C00000BE |
RZ/G1E | RZ_G1E Starter Kit Board |
WKM320AA1 | WKM320AA1-EVB(加賀FEI) |
しかし、FP-40の仕様の理解や、組込み開発の知識も必要とあって、限られた工期での作成は難しいかもしれません。そのため、当社ではお客様の環境に応じたUCMを作成し、フラッシュメモリへスムーズに書き込めるための受託も行っております。